結論

空き家の「買取」とは、不動産会社が自ら買主となって物件を買い取る売却方法です。不動産会社が買主を探す「仲介」とは、契約の相手や費用のかかり方が異なります。注意点として、所有する不動産を不動産会社に売却した場合、宅地建物取引業法のクーリング・オフは使えません[1][2]。契約内容を理解したうえで判断することが大切です。

この記事で分かること

  • 空き家の「買取」と「仲介」の違い
  • 買取の特徴
  • 不動産会社に売却する場合の注意点(クーリング・オフが使えないこと)
  • 困ったときの相談窓口

空き家の「買取」とは

不動産の売却方法には、大きく分けて「仲介」と「買取」があります。

項目仲介買取
買主不動産会社が探した個人・法人など不動産会社
不動産会社の役割売主と買主の間に立ち、取引をまとめる自ら買主として売買契約を結ぶ
仲介手数料(媒介報酬)かかる媒介ではないため、かからない

仲介手数料(媒介報酬)は、不動産会社の媒介によって売買が成立した場合に支払うものです[3]。買取では不動産会社が直接の買主となるため、媒介報酬は発生しません。

買取の特徴

買取には、仕組みから次のような特徴があります。

買主を探す期間がありません。 仲介では、不動産会社が買主を探す売却活動の期間が必要です。買取では不動産会社が買主のため、この期間がありません。

売却価格は不動産会社との合意で決まります。 買取価格は、不動産会社が提示する価格をもとに、売主と不動産会社の合意で決まります。提示される価格は会社によって異なるため、複数の会社に査定を依頼して比べることができます。

仲介手数料がかかりません。 前述のとおり、媒介報酬は発生しません。

注意点:不動産会社への売却はクーリング・オフできません

国民生活センターと国土交通省は、自宅などの不動産を不動産会社に売却するトラブルについて注意を呼びかけています[1][2]。

クーリング・オフは使えません。 宅地建物取引業法のクーリング・オフは、不動産会社が「自ら売主」となる売買契約で、買主を保護するための制度です[4]。消費者が不動産会社に不動産を売却する場合は対象外で、国民生活センターも、自宅を不動産業者に売却した場合はクーリング・オフできないとしています[1]。

解約すると違約金を請求される場合があります。 国民生活センターには、強引な勧誘を受けて安価で売却する契約をしてしまった、解約を申し出たら違約金を請求された、といった相談が寄せられています[1]。

国民生活センターと国土交通省は、次のような点を呼びかけています[1][2]。

  • 内容をよくわからないまま、安易に契約しない
  • わからないことや納得できないことがあれば、解決するまでは契約しない
  • 勧誘が迷惑だと思ったらきっぱりと断り、今後勧誘しないように伝える
  • 不安に思ったときやトラブルになったときは、消費生活センター等に相談する

困ったときの相談窓口: 消費者ホットライン「188」に電話すると、お近くの消費生活相談窓口を案内してもらえます[5]。千葉県では、千葉県消費者センターも消費生活相談を受け付けています[8]。

千葉県のデータ

千葉県の空き家のうち、賃貸・売却用や別荘などを除いた空き家(長期不在の住宅など)は15万8,500戸です[6]。また、国土交通省の全国調査(令和元年空き家所有者実態調査)では、空き家の所有者の約3割が、車や電車などで1時間を超える遠方に住んでいます[7]。

具体例(想定例)

以下は、仕組みを説明するための想定例です。

想定例

想定例1:買取で売却した場合の費用 不動産会社が買主となるため、仲介手数料(媒介報酬)はかかりません。

想定例

想定例2:売買契約を結んだ後に解約したくなった場合 不動産会社に売却する契約には、宅地建物取引業法のクーリング・オフは適用されません[1][4]。解約の条件は契約書の定めによるため、契約前に解約や違約金の条項を確認することが大切です。

売却・買取という選択肢

買取と仲介のどちらが向いているかは、物件の状態や立地、売却までの期間の希望などによって異なります。仲介で売る方法は「千葉県で空き家を売却する方法」で解説しています。

どちらの方法でも、複数の不動産会社に相談して条件を比べ、契約内容を理解してから判断することができます。

参考資料

  1. 独立行政法人国民生活センター「高齢者の自宅の売却トラブルに注意-自宅の売却契約はクーリング・オフできません!」(2021年6月24日)https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20210624_1.html
  2. 国土交通省「高齢者の自宅の売却トラブルにご注意ください!」https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/totikensangyo_const_tk3_0053.html
  3. 三井住友トラスト不動産「媒介報酬(仲介報酬)とは」https://smtrc.jp/useful/glossary/detail?n=1136
  4. 東京都住宅政策本部「クーリングオフについて(トラブル回避のために)」https://www.juutakuseisaku.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/juutakuseisaku/tokyo_douga_2410_07
  5. 独立行政法人国民生活センター「全国の消費生活センター等」https://www.kokusen.go.jp/map/
  6. 千葉県「令和5年住宅・土地統計調査 千葉県確報集計結果の概要」https://www.pref.chiba.lg.jp/toukei/toukeidata/jutakutochi/r5/r5jutakutochikekka.html
  7. 国土交通省「空き家の取得経緯・所有者の居住地との関係」(令和元年空き家所有者実態調査より)https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001518774.pdf
  8. 千葉県「消費者センター」https://www.pref.chiba.lg.jp/customer/