結論
空き家を売る・貸す・空き家バンクに登録する前には、家財や不用品の片付けが必要になることがあります。家庭から出る不用品(一般廃棄物)を業者に回収してもらう場合、その業者は、市町村の「一般廃棄物収集運搬業」の許可を受けている必要があります[1][2]。ただし、許可業者が回収できる範囲は市町村によって異なり、たとえば千葉市では、許可業者であっても特別な場合を除き家庭からのごみの回収は認めていません[2]。千葉県内では、富津市・勝浦市・市川市・香取市などが、空き家の家財処分の費用を補助する制度を設けています[4][5][6][8]。
この記事で分かること
- 空き家の家財・不用品を処分する主な方法
- 回収業者に依頼するときに確認すべき「許可」
- 家電4品目の扱い
- 千葉県内の市の、家財処分の補助制度
- 相続した空き家の家財を処分する前の注意点
家財・不用品を処分する主な方法
| 方法 | 概要 |
|---|---|
| 市町村のごみ収集に出す | 粗大ごみなど、市町村のルールに従って出す |
| 許可を受けた業者に回収を依頼する | 市町村の一般廃棄物収集運搬業の許可を受けた業者に依頼する |
| 家電4品目をリサイクルに出す | エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機などは家電リサイクル法の対象(下記) |
量が少なければ市町村のごみ収集、量が多い場合や遠方に住んでいて片付けに通えない場合は業者への依頼、というように、状況に合わせて組み合わせることができます。粗大ごみの出し方は、空き家がある市町村のウェブサイトでご確認ください。
回収業者に依頼するときは「許可」を確認
家庭ごみを取り扱うには、市町村の「一般廃棄物収集運搬業」の許可が必要です[2]。環境省も、家庭の廃棄物を回収できるのは「一般廃棄物処理業の許可」を持つ業者だと注意を呼びかけています[1]。
無許可の業者による処理は違法です。 千葉市は、軽トラックなどで巡回して廃家電製品などの処理を請け負う業者や、インターネットやポスティングで不用品回収を宣伝する業者は、一般廃棄物処理業の許可を受けていない可能性が高く、無許可で廃棄物の処理を行うことは違法だと注意を呼びかけています[2]。悪質な無許可業者から高額な料金を請求されたというトラブルも発生しています[3]。
市町村によって、許可業者が回収できる範囲も異なります。 たとえば千葉市では、一般廃棄物収集運搬業の許可を取得している業者であっても、「一時多量ごみ」や「適正処理困難物」の回収など特別な場合を除き、家庭からのごみの回収は認めていません[2][3]。また、千葉市の許可を得ている業者が、スピーカー放送などによる巡回収集を行うことはないとされています[3]。
依頼する前に、業者が「空き家がある市町村」の一般廃棄物収集運搬業の許可を受けているか、その市町村でどのような回収が認められているかを確認してください。
まだ使えるものは、売却するという方法もあります。 千葉市は、ごみとして処分したくない場合の方法として、フリマアプリやリユースショップの利用、古物営業法上の許可を持つ業者への売却を案内しています[2]。
家電4品目の扱い
エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は家電リサイクル法の対象機器です。千葉市は、これらと家庭用パソコンを、市で収集しないものとしています[3]。処分の方法は、購入した店や、空き家がある市町村のウェブサイトでご確認ください。
千葉県のデータ:家財処分の補助制度
千葉県内の市の中には、空き家の家財処分の費用を補助する制度を設けている市があります。
| 市 | 制度 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 富津市 | 空家バンク登録支援・利用者支援補助金 | 空家バンクに登録する所有者などへ、家財処分・登記手続・仲介手数料などの費用を2分の1以内(上限10万円)で補助。着手前の申請が必要[4] |
| 勝浦市 | 空き家流通促進補助金 | 家財道具などの処分費やリフォーム費用の一部を補助[5] |
| 市川市 | 家財道具処分費用補助制度(空家所有者向け) | 空家所有者向けの家財道具処分費用の補助[6] |
| 香取市 | 空家家財道具等処分等補助金 | 空き家バンクの物件登録予定者へ、市内の業者に依頼する家財道具の処分やハウスクリーニングなどの費用を2分の1(最大10万円)補助。着手前の申請が必要[8] |
補助の対象・金額・受付期間は、申請前に各市の担当窓口でご確認ください。富津市と香取市の制度は、着手前の申請が必要と明記されています[4][8]。ほかの市の制度も、申請のタイミングを事前にご確認ください。各市の詳しい情報は、富津市・勝浦市・市川市・香取市のページをご覧ください。
具体例(想定例)
以下は、制度の仕組みを説明するための想定例です。
想定例1:富津市の空き家を空家バンクに登録する前に、家財を処分したい場合 富津市の空家バンク登録支援・利用者支援補助金は、家財処分などの費用を2分の1以内(上限10万円)で補助する制度で、着手前の申請が必要です[4]。処分を業者に依頼する前に、市に申請します。
想定例2:チラシで「無料回収」とうたう業者を見かけた場合 千葉市は、インターネットやポスティングで不用品回収を宣伝する業者は、一般廃棄物処理業の許可を受けていない可能性が高いと注意を呼びかけています[2]。許可の有無を確認し、確認できない業者には依頼しないようにしてください。
注意点
相続した空き家の家財は、処分する前に確認してください。 相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは、相続を単純承認したものとみなされると民法で定められています(民法921条1号)[7]。単純承認したとみなされると、相続放棄はできなくなります。借金などがあり相続放棄を検討している場合は、家財を処分する前に、弁護士・司法書士などの専門家にご相談ください。当サイトでは、個別の事案についての判断は行っていません。
補助制度は、申請のタイミングに注意してください。 着手前の申請が必要な制度では、先に処分してしまうと補助を受けられない場合があります。
「一般廃棄物収集運搬業の許可」は、市町村ごとの許可です。 空き家がある市町村の許可を受けているかを確認してください。
売却・買取という選択肢
家財を片付けた後の空き家は、仲介で売る、不動産会社に買い取ってもらう、空き家バンクに登録する、などの方法で手放すことができます。詳しくは「千葉県で空き家を売却する方法」「千葉県の空き家バンクとは?」で解説しています。
参考資料
- 環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」https://www.env.go.jp/recycle/kaden/tv-recycle/qa.html
- 千葉市「違法な不用品回収業者にご注意ください!!」https://www.city.chiba.jp/kankyo/junkan/sangyohaikibutsu/huyouhinkaisyu.html
- 千葉市「市で収集しないもの」https://www.city.chiba.jp/kankyo/junkan/shushugyomu/syusyushinai.html
- 富津市「空家バンクへの登録・利用にかかる費用の補助」https://www.city.futtsu.lg.jp/0000007172.html
- 勝浦市「移住・定住をお考えの方はこちらへ」https://www.city.katsuura.lg.jp/page/1162.html
- 市川市「住宅に関連する支援制度のご案内」https://www.city.ichikawa.lg.jp/page/3811.html
- e-Gov法令検索「民法」(第921条)https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
- 香取市「香取市空家家財道具等処分等補助金(最大10万円補助)」https://www.city.katori.lg.jp/living/sumai/akiya_taisaku/kazaidougu_hozyokin.html